大学の組織授業後に学生と(後列左から2番目が筆者)研究室メンバーと本部棟南側の桜の木の前で(2024年4月) 本教室のここ10年を振り返ることにするが、人員や施設等に大きな変化は見られないのが現状である。今回の趣旨から少し逸れるかもしれないが、この間に起こった苦労した出来事について記述したいと思う。①グランド発掘調査(2017?2019年) 四条キャンパス?グランドの発掘調査が実施された。当初は授業や部活動への影響を考慮してグランド半面ずつの調査ということで安□していたが、2年目からは全面に変更となり、使用が完全にストップすることとなった。畝傍山キャンパス予定地の一画に仮グランドが設けられたが、距離的な問題もあり、授業で使うことは叶わず、ソフトボールやサッカーといった人気スポーツが選択種目から消えることとなった。余談にはなるが、調査で、四条1号墳(全長約30mの方墳)や、藤原京の道路(四条大路、西六坊坊間路)と宮仕えの役人のものと考えられる宅地(掘立柱建物や井戸)、藤原京を造営する資材運搬用の側溝など、 未来基礎医学は2017年4月に開設され、仲川 孝彦(研究教授)と私(当時?特任助教)の2名体制でスタートしました。2019年1月からは、私が准教授(教室主任)として運営に携わっております。 学部教育では医学科1年の教養教育課程の選択科目として「医学研究入門」を開講し、学内外の研究者の研究キャリアを通じて研究や研究者を身近に感じてもらえるような取り組みを行っております。また医学科2年次には、海外の研究室に派遣する「海外リサーチクラークシップ」の派遣前?後の研究活動の支援を行っております。研究室には、数名の学部学生が自主的に研究活動を行っており、卒業まで(もしくは卒業後)に、共著者や筆頭著者として論文発表に至るケースもあります。また、大学院医学系研究科では「相分離生物学」を開講し、生体分子の集合状態の評価や疾患との関連について、大学院生と共に研究に取り組んでおります。 2017年の開設以降、原著論文20報(うち責任著者11報)を発表し、価値の高い遺跡が確認されたということである。何とも世界的遺産に支えられた地で走り回っていたことだろうか…。②申博_申博手机版-平台官网感染(2020?2022年) 発掘調査も終わり、従来の授業に戻るハズであったが、世界的に猛威を振るう新型コロナ感染により、2020年4月から登校禁止(遠隔授業)となった。2か月後の6月から分散型で対面授業が再開されたが、三密を回避しながら実技をどのように進めていくか…、道具の消毒、マスク着用など問題は山積みであった。更衣室も使用できない状況にあったので「動きやすい服装」という名目の私服での実施となった。内容的にも卓球、バドミントンといったネットを挟んだ種目が中心となり、人数も従来の半数に制限し、時間を区切った交代制であった。動きたい盛りの学生には物足りない授業だったと思うが、束の間の解放感を得てくれていたと信じたい…、この形態は少しずつ緩和されながらも2022年の9月まで続いた。HPhttps://www.mirai-nmu.com/学内共同研究13報、国内他機関との共同研究12報、国際共同研究5報、企業との共同研究5報といった内訳となっております。日本医療研究開発機構(AMED)からは、「戦略的国際脳科学研究推進プログラム」や「脳とこころの研究推進プログラム(精神?神経疾患メカニズム解明プロジェクト)」等の研究課題に採択頂き、筋萎縮性側索硬化症(ALS)等の神経難病に関する病態解明研究に取り組んで参りました。 2021年からは、五十棲規嘉(助教)が着任しました。五十棲先生は、タンパク質の核磁気共鳴法(NMR)と質量分析の2つの専門性を有しており、これまでにいくつもの学内外の共同研究プロジェクトで活躍して下さっております。学部学生?大学院生?教室職員のみならず、企業からの派遣研究員やボツワナ共和国からの留学生など、多様な人材(合計19名:2025年2月現在)が教室に出入りしております。22教養教育 保健体育教育教授/石指 宏通教養教育 未来基礎医学准教授/森 英一朗
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