奈良県立医科大学_開学80周年及び畝傍山キャンパスオープン記念
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附属病院の組織透析部とスタッフ地域連携?入退院支援センター スタッフ 透析部は1970年12月14日に当時最先端の透析機器を用いて血液透析療法を施行したのが始まりです。泌尿器科病棟に透析ベッドを2床確保して始まり、2003年12月13日からはC棟4階に15床の透析ベッドを備えた中央部門となっています。 透析部はこれから透析を始める導入患者さん、合併症治療で入院となった維持透析患者さんや緊急透析が必要な患者さんの血液透析を行っています。透析療法の進歩により生命予後は改善し、長期にわたり合併症の少ないQOLが保たれる治療が必要となっており、厳密に清浄化した超純水透析液を用いる血液透析濾過も行っています。様々な疾患に対し、血液透析同様体外循環を用いる血液浄化療法も行っています。これらは医工学とともに進化してきており、透析部は医師、看護師に加え、臨床工学技士が多数活躍するチーム医療の場となっています。 奈良県の透析患者さんは、2024年末3,467名になっており、高齢化、糖尿病合併の増加、透析の長期化が進み、合併症治療を要する透析 当院では、2007年に地域医療連携室が設置されました。近年の診療報酬改定や、病院機能分化の推進により増員が図られ、2019年に入退院等支援部の中に前方連携を主とする地域医療連携室と後方連携を主とする入退院支援センターへと組織編成されました。2023年には外来から入院?退院までをシームレスに連携するために再び統合編成され、地域連携?入退院支援センターへと名称変更になりました。 現在は、医師1名(センター長)、事務6名、看護師14名、医療ソーシャルワーカー11名で業務を行っています。 前方連携は地域の医療機関から初診患者の事前予約、紹介元への返書の管理、他院への紹介受診予約やセカンドオピニオン?遺伝カウンセリングなどの予約業務。 また、地域の先生方と当院医師とが緊密な医療連携を図ることで、患者さんがお住まいの地域で安心して継続的に医療が受けていた患者数は増加しており、県の透析医療の基幹病院として透析患者さんの合併症に迅速に対応しています。2020年にはフロアの陰圧化工事を行い、県内の透析施設で対応困難なCOVID-19透析患者の隔離透析も多数行いました。また日本腎臓財団透析従事職員研修施設として、毎年医師?看護師?臨床工学技士が研修に訪れています。 末期腎不全に対する腎代替療法の中で唯一の根治的治療であり、生命予後やQOLの向上が得られる腎移植は、県内唯一の腎移植施設として透析部を中心に積極的に行っており、1974年10月26日に当院第1例目を施行して以来、2025年1月末時点で326例(脳死下13例?心停止下57例?生体256例)施行しています。保存期腎不全、透析療法から腎移植という一連の管理で、奈良全県より患者さんが受診される様になっています。 これからも透析部は腎不全患者さんのために奈良県の腎不全医療を担う基幹施設としての役割を果たして参ります。だけるよう、顔の見える関係を構築することを目的として連携登録医制度を運用しています。賛同いただいた登録医の先生方にはやメールマガジンの配信など当院の情報を発信しています。 後方連携では入院前の面談、入院時の介護支援連携、当院で治療を終えられた患者の次の療養施設への転院調整や、在宅療養に向けてのサービス調整、県の事業であるER経由の入院患者の即日転院調整などを行っています。 最近では患者の高齢化、疾患の複雑化、高齢者世帯の増加など時代の要請に伴い、入院患者だけでなく外来患者の訪問医や訪問看護など在宅調整や緩和病棟への予約なども積極的に行っています。 また、センター全体として地域との連携強化と良好な関係性の構築に向けて医療機関への訪問、病院間の連携締結、「地域医療連携懇話会」や「連携登録医のつどい」の開催、広報誌の作成やイベントや広報活動を協力して取り組んでいます。60透析部部長/鶴屋 和彦入退院等支援部 地域連携?入退院支援センターセンター長/吉治 仁志

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