奈良県立医科大学_開学80周年及び畝傍山キャンパスオープン記念
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附属病院の組織HPhttps://oto.naramed-u.ac.jp/patient/memai-center.html学術誌などで多数報告してきました。さらに、めまい疾患は難聴疾患と互いに密接に関係していることも多く、平衡機能だけでなく、聴覚的なアプローチも診療には重要となります。両症状を統合的に取り扱うことができるセンターへの充実を図るため、申博_申博手机版-平台官网5年1月に「めまいセンター」は「めまい?難聴センター」と改名し、山中敏彰病院教授の退職に伴い空席であった副センター長に西村忠己病院教授が就任し、両分野のエキスパートが協力する形で現在に至っています。聴覚分野を取り込むことでより充実した診療を行う体制が整っており、ますますの発展が期待できます。両分野にまたがる新しい試みとして、聴覚が平衡機能に与える影響を評価するとともに、聴覚を利用した平衡障害の治療について研究を行っており、将来の実用化につなげたいと考えています。HPhttps://hospital.naramed-u.ac.jp/department/stroke.html成立し、2021年日本脳卒中学会が中心となり全国に一次脳卒中センター(PSC)が整備されました。奈良県でも13施設がPSCとされ、さらに本学は中核であるPSCコアに認定されました。PSCコアでは、3名以上の脳血管内治療専門医もしくは血栓回収実施医とその実績、24H/7Dで血栓回収治療に対応可能、脳卒中相談窓口の設置が要件とされています。さらに、2023年本学に「脳卒中?心臓病等総合支援センター」が開設され、脳神経内科?脳神経外科?循環器内科で運営し、患者支援や情報提供、普及啓発を推進しています。 今後さらに、本学脳卒中センターを軸に脳神経内科と脳神経外科の集学的な診療体制、包括的でシームレスな脳卒中治療体制を充実させていきます。さらに、専門医や専門メディカルスタッフの人材育成、学生?研修医への教育体制の確立とともに、脳卒中研究の推進にも注力を行い、奈良県の脳卒中診療の向上に邁進してまいります。何卒ご指導よろしくお願いいたします。65集合写真左から、山田修一(脳神経外科?病院教授)、中川一郎(脳神経外科?教授)、杉江和馬(脳神経内科?教授)、斎藤こずえ(脳神経内科?病院教授) 現在社会がストレス社会であり、高齢化社会であるという背景から、めまい患者数は年々増加の一途をたどっています。診療科横断的性格の強い症候であるめまい疾患に対応するため、当センターは平成28年5月に「めまいセンター」として開設されました。センター長は北原糺が耳鼻咽喉?頭頸部外科の教授と兼務し、現在まで至っています。副センター長は山中敏彰病院教授が、申博_申博手机版-平台官网4年5月の退職まで務めました。めまいセンターでは新しい試みとしてめまいの検査入院に積極的に取り組み、全国に発信してまいりました。めまいの原因を明らかにするためには様々な検査が必要ですが、それらの検査を網羅的に入院して行うことで、めまいの診断の精度の向上と適切な治療に繋げています。現在、全国から多くの患者様が、このめまい検査入院を希望され、検査結果を受け、従来の薬物療法以外に手術療法、リハビリテーション療法などを組み合わせ疾患の治療に当たっています。そしてそれらの取り組みから得られた多くの知見は、国際的な 脳卒中センターは2017年10月に開設され、8年目を迎えています。脳神経内科と脳神経外科が緊密に連携し運営しています。現在、センター長を脳神経内科の私が、副センター長を脳神経外科の中川一郎教授がつとめ、病院教授を脳神経外科の山田修一先生と脳神経内科の斎藤こずえ先生が担っています。 脳卒中ケアユニット(SCU)は病床6床で開始し、脳神経内科病棟(C5)、脳神経外科病棟(B5)と同じフロアで、転棟転室が適切に連携できています。SCU当直を脳神経内科と脳神経外科が交代で実施し、毎週両科で脳卒中カンファレンスを行い脳卒中診療を統一化する体制を整備しています。2024年にセンターで対応した急性期脳卒中は348例(脳□塞196例、脳内出血100例、くも膜下出血45例など)と年々実績は向上しています。 脳卒中診療を取り巻く環境として、2015年に急性期主管部動脈閉塞症に対する血栓回収療法のエビデンスが示されて以降、多くの新知見が生まれ、劇的に変化しています。2018年「脳卒中?循環器病対策基本法」がめまい?難聴センターセンター長/北原 糺脳卒中センターセンター長/杉江 和馬

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