奈良県立医科大学_開学80周年及び畝傍山キャンパスオープン記念
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法人の組織/university/kenkyu-sangakukan/kyoudoukenkyukouza/kessenshiketsuiyakuseibutsu.htmlHP(左)佐藤講師 (中央)吉川病院長 (右)川崎講師本講座で取り組んでいる研究の一例です 寄附講座「地域医療支援?教育学講座」は、平成31年4月に宇陀市からの寄附により開設されました。現在、吉川公彦病院長のもと、講師の佐藤慎哉と川崎佐智子が教員として務めております。 奈良県は日本の縮図と言われる人口構成であり、若年層が多く居住する新興住宅地がある一方で、中南部地域のような過疎地域も多い。宇陀市は奈良県の東部に位置し、総人口は平成7年にピークとなる4.2万人が、年々減少している。一方で、高齢化率は約44%と年々増加し、医療支援が行き届かない状況が危惧されている。そのため、医療提供体制の構築に向けた支援の研究および若手医師の教育を行うことが、本講座の目的です。 本講座の構成教員はそれぞれ、消化器内科、整形外科を専門領域として日常臨床に従事しています。その中で、サルコペニアや骨粗鬆症といった、高齢者特有の問題に直面し、治療に従事しています。今後、地域医療での大きなテーマは『予防と教育』と考え、若手医師の教育 血栓止血医薬生物学共同研究講座は2018年4月1日に本学と中外製薬株式会社の共同研究講座として設立されました。そのままでは見ることができず、評価することも出来ない、生体内での止血の仕組みや体の能力、機能、生活の質などを、これまでに無い手法、検査機器を用いて評価してきました。現在は野上教授のもと医師でもある嶋、辰巳、坂田と、理学療法士でもある□角、研究補助員の清水、さらにとともに、地域住民への疾患啓発教育も広げていくべく、臨床と研究に取り組んでまいります。中外製薬の研究員で協力して精力的に研究を進めています。基礎研究としては生きている動物の体内をリアルタイムに観察することができる顕微鏡を用いて、生理的な止血のために必要な血栓形成の仕組みの解明や病態下の血栓形成の解析を行なっています。臨床研究では止血機能に異常を起こす疾患をお持ちの方を対象として、身体機能や生活の質をフォースプレート内蔵型のトレッドミルや三軸加速度計、GPSトラッカー、スマートフォン、スマートウォッチなどを用いて評価をしたり、赤外線を用いた診断?評価の支援法の開発などを行なったりしてきました。いずれもここ数年発達してきた技術を用いた挑戦で、新規性の高い研究になります。さらにこれら研究成果をもとに企業や東京大学と共同研究を進めてきました。共同講座で開発された技術は今後、他疾患領域、他講座に広がりつつ、発展していくことと思います。これからも奈良県から患者様の利益につながる研究を発信するべく一丸となり研究を進めてまいります。79血栓止血医薬生物学共同研究講座教授/野上 恵嗣寄附講座 地域医療支援?教育学講座教授/吉川 公彦

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