法人の組織HP/university/subject_and_department_j/collaborative_research/bunsidoutaisouyaku.html社会実装に取り組む体制を構築してきております。これまでに、15名を超える科学顧問の研究者の方々を全国の研究機関から迎え入れ、研究成果を世界に向けて発信する体制を構築してきました。また、投資家からの資金調達を2度行い、研究開発を進めてきております。加えて、HVC KYOTO?KRP賞受賞(2023年7月)、バイオテックグランプリ?最優秀賞およびメタジェン賞受賞(2023年11月)、Plug and Play Rising Biotech Challenge採択(2024年6月)、Nara Challenging Startup支援事業?認定(2024年10月)、奈良県?大学等発スタートアップ支援補助金採択(2024年10月)、Deep Tech Venture of the Year 2025(スタートアップ部門)(2025年1月)等の表彰を受けてきました。 本共同研究講座での研究開発を通じて、治療薬を待つ患者さんに一日も早く届けることができるよう、努めて参ります。HPhttps://commed.naramed-u.ac.jp選択できる診療科を再検討した。結果的に、自分の専門分野に関わらず診療する内科(総合内科)を担当する「総合内科分野」ならびに奈良県で医師が不足している児童精神科医を育成する「児童精神分野」が新たに設立された。さらに、全国的に外科医が不足する中で「外科」ならびに「脳神経外科」が選択できるようになった。このように奈良県の医師偏在の状況を解析し、行政と情報交換しながら県費奨学生医師の適正配置を提案?評価することが地域医療学講座の重要な役割と考えている。 現在、地域医療学講座は、赤井靖宏 教授、周藤俊治 准教授、4名の特任助教とともに奈良県や他の学内部署とも連携し、奈良県の医師配置の適正性について研究を行なっている。このような研究結果も踏まえ、医師不足?偏在について公立?公的病院と情報共有し、医師確保を目指す「県立医大医師派遣センター」ならびに県費奨学生の適正配置を担当する「県費奨学生配置センター」とも密接に連携し、奈良県の医療環境が適正に維持されるように役割を果たしていきたいと考えている。80左から、中西 真理(共同研究講座?助教)、杉江 和馬、森 英一朗(モルミル?代表取締役および本学?未来基礎医学?准教授)、富松 望(モルミル?取締役CTOおよび本学?招聘教授) 分子の動きの変化から病気を理解し、治療薬の創出につなげることを目指し、モルミル株式会社(以下、モルミル)との共同研究を発展させるべく、2024年4月に分子動態創薬共同研究講座が設置されました。 モルミルは、奈良医大発ベンチャーとして、2022年6月に設立されたバイオテック?スタートアップ企業で、本学?未来基礎医学の森 英一朗(准教授)が代表取締役を務めております。森先生は2017年に本学に着任され、その頃より私が教授を務めております脳神経内科学講座との共同研究が始まりました。この間、多くの共同研究の成果を論文等で発表してきました。2021年にNature Communications誌に発表した論文では、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態発症における「相分離制御破綻」の分子機構の解明を行いました。 奈良医大発ベンチャー認定に加え、モルミルは徳島大学発および産業技術総合研究所発の認定を受け、3機関の共同研究の成果の 地域医療学講座は、奈良県における地域医療を改善するために、医師の適正配置に主眼を置きながら研究?教育を行う組織として平成22年(2010年)に設立された。当初は、「奈良県医療改革のための基本方針」に基づいて、脳卒中の救急診療体制の分析や県費奨学生医師のキャリアパスの作成等を行っていた。また、南奈良総合医療センターの設立にあたっては、松村雅彦 前教授を中心に必要医師数の調査?解析を行い、同院の円滑な開院に貢献した。 この10年で奈良県の医療環境は大きく改善した。重症以上の傷病者に対する救急隊の病院照会回数4回以上の割合は、以前は全国平均の3倍以上の割合であったが、申博_申博手机版-平台官网元年(2019年)には全国平均を下回った。また一時は20%以上になっていた母体の県外搬送率は、申博_申博手机版-平台官网3年(2021年)には0%となった。医療環境がこのように改善したことを受け、地域医療学講座は、奈良県と協働して医師の適正配置を解析することが大きな役割となった。特に、医療環境の変化にあわせて、県費奨学生医師が分子動態創薬共同研究講座教授/杉江 和馬地域医療学講座教授/赤井 靖宏
元のページ ../index.html#85